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Spring ephemeral

はかなくも強く優しく美しいカタクリの花は早春の森の妖精。

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早春の花、カタクリは、地中深くに球根を持って越冬します。地上に顔を出すのは本州の中北部では3月、北海道では4月で、これはほぼ雪解けの時期に当たります。雪解け直後に地上に顔を出したカタクリは、すぐに花を咲かせ、その花はすぐに終わり、本格的な春がくるころには葉のみとなります。この葉も6月ころには黄色くなって枯れ、それ以降は地中の球根のみとなってそのまま越冬します。カタクリは、その地上に姿を見せる期間は約2ヶ月だけです。このカタクリのように、春先に花を咲かせ、夏までの間に光合成を行って地下の栄養貯蔵器官や種子に栄養素を蓄え、その後は春まで地中の地下茎や球根の姿で過ごす、という生活史を持つ植物は、セツブンソウ、ユキワリイチゲ、福寿草など、落葉樹林の林床には何種類もあり、そのためそのような森林の林床は、春先にとてもにぎやかになります。このような一群の植物はスプリング・エフェメラルと呼ばれています。


3.17 神代植物園にて。

by umemomiji | 2017-03-19 22:00 | 春の花
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